羽に興味はあるけど、ぶっちゃけ良く分からない。そんな方に向けたシリーズ、「羽の見分け講座ファーストステップ」
第3回目も種を同定する前に知っておきたい、部位の同定方法です。今回は風切をさらに細かく見分けていきます。
ちょっと長いので前・中・後編で分けて説明していきますね。
イントロダクション
前回の講座で風切を見分ける事ができましたので、今回はもう少し風切を細かく見分けられるようになろうと思います。
今回もだいたいでいいわよ。妙なウンチクはうんざりだわ。
鳥の翼に生えている風切には、初列風切(しょれつかざきり)と次列風切(じれつかざきり)、三列風切(さんれつかざきり)に分けられます。
体の外側に生えているのが初列風切で、そこから順に内側に次列風切、三列風切となります。
簡単に言うけど、どの辺までが初列で、どこから次列なのかどうやったら分かるのよ?
そうですね。これだとなんとなくは分かるかも知れませんが、それぞれの境界線がわかりませんね。
でも実は、初列風切と次列風切の境界線ははっきりしています。簡単に言うと、生えている骨が違うのです。
鳥の翼の骨格
まずは鳥の翼の骨格を見てみましょう。
人間と同じように、上腕と前腕、手に分かれてます。
鳥の翼って、腕だったのね。
そう、鳥の翼は人間で言う所の腕なんです。
まず、初列風切は手の骨(掌骨と第2指)に生えている風切羽です。
そして、次列風切は肘の下、前腕(尺骨(しゃっこつ))に生えている風切羽です。
関係ないけど、鳥の指って3本なのね。
身近な手羽先で言い換えると、先の尖っている(あまり食べる所がない)方に生えているのが、初列風切です。お肉が多くて骨を二つにポキッと割る方に生えているのが、次列風切なのです。
ビールが飲みたくなるわ。
では、三列風切はと言うと・・・
上腕に生えてるんでしょ。
いえ、違うのです。三列風切も同じく前腕に生えている羽です。実は次列との違いは簡単に説明し難いので、別の記事で説明しますね。
逃げたわね
とにかく、三列風切は次列風切の仲間で、お友達同士だと言う事だけ頭に入れておいてください。
ちなみに上腕に風切は生えていないんですよ。
羽のバックヤードは手軽なweb羽図鑑になれる様、日々活動しています。
参考文献
- 鳥類学、フランク・B・ギル、新樹社
- 原寸大写真図鑑 羽 増補改訂版、叶内拓哉・高田勝、文一総合出版
- 野鳥の羽ハンドブック、高田勝・叶内拓哉、文一総合出版
- BIRDER 289号(2011.2)鳥の形学(P.38)、翼の形と飛び方、文一総合出版
- BIRDER 299号(2011.12)羽の落とし鳥を探せ、特集、文一総合出版
- BIRDER 385号(2019.2)羽毛は語る、特集、文一総合出版
- 動物遺物学の世界にようこそ!、邑井良守・藤井幹・川上和人、里の生き物研究会
- 鳥類標識マニュアル(改訂第 11 版)、山階鳥類研究所 鳥類標識センター
- ビジュアル博物館 鳥類、同朋舎
当サイトの参考文献一覧はこちらからどうぞ。
コメント